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今回は西日本新聞北九州支社から釜山日報社に交換派遣記者として活躍されている横尾誠(よこお・まこと)さんにお話を伺いました。
まるこ:ではまず最初に、現在こちらで横尾さんがなさっているお仕事を簡単に説明していただけますか。

横尾さん:現在私は西日本新聞社と姉妹提携している釜山日報社で派遣記者という形でこちらに勤務しています。西日本新聞社と釜山日報社の間では数年前から特集企画を組むなど国際的な取り組みが行われていましたが、去年(2002年度)の3月から両社の記者が6ヶ月を基本に交換派遣されるようになりました。私は今年の9月からこちらに派遣されています。
 朝は釜山日報に出勤。国際部内の机を借りて取材をしながら、夜は釜山大学で韓国語を学んでいます。日々の取材は西日本新聞の国際面などに掲載されることが多いですが、時には釜山日報にもコラムを書きます。釜山日報では同僚から、日本関連のニュースの解釈について相談を受けることもあります。「石原慎太郎はなぜ韓国を刺激する発言を繰り返すのか」「北朝鮮の核問題と拉致事件への日本言論界の姿勢は?」なんて質問もあって、これはさすがに「荷が重いです」と白旗をあげたくなりますが、こちらの人々からすれば私が「日本代表」なので、できるだけ、きちんと対応しているつもりです。おかげで、日本という国について、改めて考えさせられることが多くて、得難い経験だと思ってます。

まるこ:そもそも横尾さんは、なぜ記者になろうと思われたのですか。

横尾さん:私が記者になろうと思い始めたのは高校生の頃からです。たぶんテレビや新聞で報道される内容は事実の一部分であって、ありのままの事実100%を書いたものではない…と薄々感じるようになりました。ならば自分自身が実際に報道する側になって、いろんな人から話をきき、現場の様子がどういうものなのかを知りたいと思うようになったのがきっかけです。

まるこ:実際記者というお仕事をなさっていてどういう点に魅力を感じられますか。

横尾さん:やはりいろんな人と会って、その人のお話がきけるというのが一番の魅力といえるでしょうか。しかしその反面、話を交わしながらも相手の警戒心を巧く解けなかったとき…つまり話している相手から本音をきき出せなかったとき、自分の力の無さを感じます。そういった時に、仕事というよりは自分という人間が相手にどれだけ信用されているのかを試されているような気がしますね。これは自分の自尊心にも関わる部分でもあり、そういうところがこの仕事の魅力であると共に、辛い部分でもあります。

まるこ:今回新聞社の派遣で初めて韓国にいらっしゃったのですか。

横尾さん:いいえ。私が初めて韓国を訪れたのは89年度です。ちょうどソウルオリンピックが開催された年の翌年で、当時私はまだ大学生でした。出身地が大阪だということもあり、以前から在日韓国人・朝鮮人の存在について身近に感じていましたし、歴史教科書の問題についても疑問や憤りを感じると同時に、日韓の間ですれ違いが多いと感じていました。日本人である私自身も韓国側の言い分がわからなくもないですし、そういう点で関心が高かったのは確かです。それは未だに感じることでもあるのですが…。
 大学生の時に一度韓国に行ってみようと思い、日本から船に乗って釜山に来たんです。釜山からソウルまで各地を転々としながら10日間にわたるバス旅行をしたのですが、ちょうど釜山から慶州に向かう高速バスの中で、私はタバコを吸っていました。すると後ろのシートに座っていた見知らぬおばさんに突然頭をぶたれたんです。あまりにも突然のことだったので、ただもう唖然とするばかりでした。年上の人の前でタバコを吸うのは無礼だとされる韓国のマナーを当時の私は知らなかったんですね。初めて韓国に来て、いきなり見知らぬおばさんに頭をぶたれるというハプニングが起き、それはもうあまりにも強烈な印象を与えられましたが、むしろ面白い国だなと思うようになりました。
 その後記者という職業に就いてから取材で韓国に来たことが数回ありましたが、韓国に対する関心は止むことはなく、この度国際部が行っている交換記者のプロジェクトに申請した次第です。

まるこ:こちらで生活されていて、どういうところに日韓の違いを感じられますか。

横尾さん:まずこちらの人は時間を守らないという点で日本とは違うと思います。これは実際に経験した話ですが、わざわざ事前にアポイントメントをとって取材に出向いたのにもかかわらず、当日取材に行くと『担当者はいない。営業に出かけている。』と言われたことがありました。結局その時は他の方が応対してくださったのですが、仕事面でもそのようなルーズさがあるという点で、驚かされました。
 また、こちらの人は親切なのかぶっきらぼうなのかよくわからなくなることがあります。礼節を重んじる国だと言われる一方で、交通の面では非常に自己中心的なところもあって公共心のなさに驚かされることもありますし、両極端な面が同居していると思います 。

まるこ:釜山の住み心地はいかがですか。

横尾さん:食事に関していえば私が釜山大学の近所で住んでいることもあり、全体的に安くておいしいと思います。野菜が多くて体にもいいと思いますし。

まるこ:釜山のおすすめスポットを紹介していただけますか。

横尾さん:私は釜山大学前をおすすめします。屋台がたくさん立ち並び、まるで毎日が縁日のようで楽しいですよ。大学前とはいえ、駅前から大学の正門までいろんなお店があって賑やかなところです。

まるこ:では最後にこれから釜山を訪れる人へのメッセージをお願いします。

横尾さん:釜山には必要最低限の便利さ…例えば地下鉄やバスなどのインフラが整っているので交通面においても便利ですし、実弾射撃場があったり、カジノがあったり、焼き肉のおいしい店があったりとビギナーの方にも手軽に、そして十分楽しめるところです。釜山は『韓国第2の都市』と言われる一方で、実際に蓋を開けてみると中身は田舎だったりして、情緒のある街だと思います。そんな点で釜山は魅力のあるいい街ですよ。


インタビューを終えて…

今年で記者暦13年目という横尾さん。「もうベテラン記者ですね。」というまるこの言葉に「いいえ、まだまだ中堅です。」と即座に謙虚な答えを出された横尾さん。今回のインタビューでは職業柄でしょうか、横尾さんからまるこがインタビューを受けているような場面もあり、「さすがは記者!!」と思わずにはいられませんでした。微笑みながら語る横尾さんの眼鏡の奥には、物事を真っ直ぐ捉えようとする瞳がキラリと輝いて見えました。これからもお仕事頑張ってください。
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